2018/07/06
業界団体、あるいは個別の会社において、契約書や重要事項説明書の雛形・サンプルが整備されていることは少なくないと思います。
雛形を利用することで契約書等の作成の労力を削減できますし、自社の方針を徹底しやすいというメリットもあります。
実際に私も大手不動産会社で契約条項の雛形作りに携わったことがありますが、雛形を作ることで格段に効率化を図ることができました。
しかし、大量生産の商品とは異なり、不動産というのはこの世に同じものは存在しないものであり、その取引条件も千差万別です。
雛形というのはオーソドックスな取引を想定したものが多いので、雛形をそのまま使うのは不適当な場合も少なくありません。
また、色々なパターンに対応できるようにしようとすると、えてして非常にわかりにくい書きぶりになりがちです。
さらには、パターン毎に雛形を用意すると、今度は雛形を選択する時点で間違えてしまうという別の問題も生じかねません。
雛形というのは「土台」ですので、まずこれを十分に検討を重ねて作り上げる必要があります。
そのうえで、取引の内容に合わせたカスタマイズをきちんと行うことが重要なのです。